人、街、景色が混ざり合い、鮮やかな色になる。
暮らしのインタビュー

COLORFUL INTERVIEW

十和田市

上野 雄一郎さん

Profile

【2017年移住・Iターン】

1974年生まれ。

福岡県福岡市出身・会社員

(上北建設株式会社)

40代オトナ夫婦、「残りの人生をどこで過ごすか?」を考える

上野(うわの)雄一郎さんは2013年、39歳で結婚。

当初は栃木県に住んでいましたが、40歳の誕生日を迎える頃には、夫婦どちらからともなく「残りの人生をどこで過ごしたいか?」を話しあうようになったといいます。埼玉大学工学部卒業後、建設会社で総務・経理の仕事に就いていた上野さんは当時、約2時間かけて都内に通勤する生活。自宅に着くのは22時を過ぎる日もあり、疲れが抜けず朝はいつもギリギリに家を出ていました。この先もこの生活を続けるか、リスクを取ってでも新天地を求めるか。

悩みながらも一番に考えたのは、家族のことです。上野さんはお母様がすでに亡くなっており、お父様はお姉様家族と同居しているため心配はありません。片や奥様は両親が他界し、お姉様が青森県八戸市の実家に1人住んでいるという状況。今後のことを思えば、家族が少しでも近くにいたほうがお互いに心強いと、移住先には青森県南部地方を選択することになりました。

まずは生活の基盤である仕事を決めてから引っ越すことを決め、就職活動からスタートです。

上野さんの条件は2つ。「給与が一定水準を超えていること」と「今までのキャリアを生かせる総務・経理の仕事」。

「1日のうち一番長い時間を使うのが仕事。知らない土地で慣れない仕事をゼロから始めて、しかも給料に納得いかないのでは、ちょっと無理があるなと」

この辺りをリアルに想像できるのは、進学・上京・就職・転勤など人生経験を積んでいたからこそ。40代、オトナな夫婦の移住は、粘り強く計画的に進められました。

仕事探しに妥協ナシ。行政の支援が力強い後押しに

現在、上野さんが勤務しているのは、十和田市内を中心に、青森県内全域で公共施設建設・インフラ整備に携わる老舗の建設会社、上北建設株式会社です。

2016年末に移住先を絞り込み、理想の勤務先と出会えたのは翌2017年夏のこと。それからの上野さんは十和田市のホームページなどを参考に、移住に利用できる制度を徹底的に調べました。

その結果、活用できたのが『移住お試し滞在補助金交付事業』と『移住・定住引っ越し支援事業』、『UIJターン移住就職奨励金』の3つです。

『移住お試し滞在補助金』は、十和田市への移住を検討している人のお試しでの滞在を支援するため、宿泊費・交通費の一部を補助するもの。

『移住・定住引っ越し支援』は、十和田市への移住を決めた人を支援するため、転入前の住宅の家財道具等の移転・処分の委託に要した経費の一部を補助するもの。

『UIJターン移住就職奨励金』は、市内事業所に就職した人へ、奨励金を交付するものです。

「使える制度はフル活用。やっぱり金銭的な負担が少ないと精神的にもゆとりができますし、力強い後押しになりましたね」と上野さんは振り返ります。

40分のドライブで国立公園に到着する贅沢

20代の頃、夢中になったものの、忙しさから遠ざかっていたスキー。十和田市に来てからはひと冬に10回もスキー場に足を運ぶほどになりました。

「こっちはフワフワのパウダースノー。関東のスキー場とは感覚が全然違います。人が少ないから思い切り滑れるし。十和田湖温泉スキー場や七戸町営スキー場によく行くんですが、次は野辺地町のまかど温泉スキー場も狙っています。車で1時間圏内にスキー場がこんなにあるなんて」と声を弾ませました。

冬以外は山や渓流を歩きます。

「これも気軽に行けることが大きい。以前は登山やトレッキングが一大イベントでしたが、今は車で40分くらい行けばもう奥入瀬渓流に着いてしまう」

十和田湖と奥入瀬渓流は、十和田八幡平国立公園を代表する景勝地の一つ。遊歩道が整備されており、初夏は新緑、秋は紅葉の中を歩くことができます。

一方で、ご近所でも行きつけの店や顔見知りが増えています。夫婦で足しげく通う図書館、カフェや酒屋、だんごが美味しいと評判のあんこ屋…。

「『14-54カフェ』の中野渡さんご夫妻とは移住した時期が近くて、けっこう遊びに行かせていただいています。この間は観光のイベントに行ったら先輩移住者であるグラフィックデザイナーの吉田さんが講演していて、移住者や若い人が色々なことをやってるなって。街の印象が変わったのはそういうところを知ったからですね」

 移住者仲間に刺激を受け、移住前よりも地域との関わりを意識するようになったという上野さん。

「建設業は、街の発展と関わりが深い仕事。建物を建てること、インフラ整備はもちろん、経理担当としては会社を大きくして雇用を生むとか、仕事を通じてまちの役に立てたらいいと思っています」と、これからについて語ってくれました。

移住者DATA.

一日のスケジュールは?

4:00・起床。

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 資格の勉強や、本を読んだりする自分のための時間です。

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7:20 ・出社。 会社までは徒歩5分もかかりません。

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 仕 事

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17:30・帰宅。

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 妻が残業の日は私が夕食作りを担当します。

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22:00・就寝。

休日の過ごし方は?

妻と一緒に午前中に家事を片づけて、あとはのんびり。特に予定がない日はご近所に出かけることが多いですね。「畑中あんこや」さんでおだんごを買って、中央公園で食べて、その後図書館に行くとか、そんな感じです。カフェや美術館にも時々行きますよ。

十和田市の便利なこと・不便なことは?

うちは夫婦2人で車が1台だけなんですが、市街地に住んでいるので、スーパーも徒歩圏内にあるし、不便を感じることはないですね。強いて言えば、図書館の席かな…。閲覧席では勉強や読書など幅広い用途に使えるのですが、ここが目的用途別に分かれていたらもっと使いやすくなるかも。

十和田市のお気に入りスポットは?

十和田市民図書館。気持ちいい空間ですよね。

もともと図書館自体が好きで、移住前から妻とよく行っていたんです。

だから図書館がきれいなのは本当に嬉しくて。

家から歩いて30分弱くらいなので、時間があるときは散歩がてら出かけます。

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