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暮らしのインタビュー

COLORFUL INTERVIEW

三沢市

新堂 友和さん

Profile


【2013年移住・Uターン

1978年生まれ。

青森県三沢市出身・会社経営

(ジョイントファーム株式会社)


食卓に届くまでが農業。だから、土づくりから加工品開発までこだわる

農業法人『ジョイントファーム株式会社』代表取締役の新堂友和さんは、三沢市で70年以上続く農家の四代目。2013年に東京からUターンし就農しました。

現在は約30ヘクタールの畑でながいも・にんにく・ごぼうを栽培しています。植えつけから収穫まで、一般的な栽培期間よりも長い時間をかけてじっくり肥料を吸わせることで、きめ細かい野菜に仕上げるのが同社のこだわり。農業を継いだ当初は8,000万円だった年商は、1億5,000万円にのぼります。


「単に農作物を作るだけでなく、食卓に届くまでが農業だと思います。市場の規格に合わせたものを栽培・出荷して終わりというやり方もあるけど、それじゃあ僕はつまらない。誰に食べてもらうか、おいしく食べてもらうには何ができるかまで考えて、追求していきたい」という信念のもと、農産物の加工品開発も手がける同社。また経営者としても、新堂さんはこの事業を大切にしています。

「野菜を作っていて出会える人と、加工品を作って出会える人って違うんです。よかれと思ってやっていることが実は間違いかもしれない、違う道があるかもしれない。そういうことを教えてくれる人っていっぱいいるんですよ。でもそれは、年中畑にいたら分からない」


同社は青森県南の空の玄関口・三沢空港まで車で20分。

「ここでできることと東京や大阪でできることは違う。広い土地やきれいな空気・水。地方の良さを生かして農業をしながら、都会から知恵やお金を持ってくることも、三沢ならやりやすいと思います。東京・大阪・札幌に、たった1~2時間で行けるんですから」と、三沢市に住むメリットを語ってくれました。



東京のコンサルが青森の百姓を継いだわけ

新堂さんの前職は、経営コンサルタント。外資系企業で不動産・建設・介護のコンサルティングサービスに従事し、ベンチャー企業の取締役も経験しました。

会社の期待を背負って働き、高額の報酬をもらう。何の不自由もない生活でしたが、しかし胸の内には仕事に対する疑問が渦巻き、日に日に大きくなるばかり。

「だって僕らがアドバイスをしても、最後に決断するのはコンサル先の経営者の方、実行するのは社員の方。コンサルティングでできることには限界がある。自分の責任の中で、自分の手でできる仕事がしてみたくなった」


そして35歳を迎えた新堂さんは、妻と息子を連れてふるさとへ。農作業のかたわら経理を担当しました。個人事業主だった父と代替わりしたのは、2年後。

「たぶん2年目ぐらいに親がめんどくさくなったんだと思います。お金の使い道にうるさいし、栽培方法にも『これって何の意味があるの?』とか言うから(笑)」

栽培品目を青森県産ブランドが確立されているながいも・にんにく・ごぼうだけに絞り、土を健全に保つため輪作体系を確立。持続農業法に基づき県が認定する『エコファーマー(持続性の高い生産方式)』認定を取得し、法人化したのは2016年のことです。


前職の経験を活かし農業法人社長に転身。年商も上向き。

順風満帆なUターンと思いきや、「最初の2年は絶望しかなかった」と新堂さん。

「親も周りの人も昔気質の農家で意見は合わないし、収入は5分の1になるし。東京に帰ることを本気で考えたこともありました」


そんなとき、地元で生きる面白さを教えてくれたのが地域のコミュニティ。三沢青年会議所に入会したことで、地元を見る目が変わったといいます。



青年会議所での経験を胸に次のステージへ。農園長候補募集中!

三沢青年会議所に入会後、初めて事業計画を立てたときのこと。

 「計画を発表したら『何も考えてない』とか『勘違いするな』とか、ボッコボコに言われて(笑)。でもその通りだった。東京で大企業のコンサルしたからって、僕自身がすごいわけじゃない。なのに勝手に地方を下に見てたことにも、そのとき気づいたんです」

 

 あらためて周囲を見渡せば「年商数十億~100億円の会社がゴロゴロあった。そんな社長と話すと、皆さん地域とも関わりながら、会社も自分も成長させたいと考えている。『こういう人が三沢にもいるんだ!』っていうのは、頑張るきっかけになりましたね。自分もただ野菜を作るのでなくて、地域や将来を考えながらやりたいと」


 2019年、40歳を迎えた新堂さんは同会議所を卒業。活動で得た人とのつながり、経験を胸に、あらためて仕事と向き合っています。

 「たとえば首都圏や関西の飲食店ににんにくを売り込むと『剥いたやつが欲しい』」って言われる。そういうニーズに応えるのが野菜に付加価値をつけることだし、顔の見えるつながりもできるじゃないですか。お客さんに感想をもらって、次はああしようこうしようって思える。毎年同じことの繰り返しじゃなく目標がいつもある、夢のある会社にしたいですね」


 次世代の農園長候補も募集中。自身のUターンの経験から、農業の後継者不足解消や、若手を地域とどうつなぐかをいつも考えているそうです。

 「すごい技術を持った農家の先輩がたくさんいるので、僕ら世代がつなぎ役になって、就農したい若い人に弟子入りしてもらったり…。婚活みたいに〝移住で弟子活〟とかできればいいですね」


移住者DATA.

一日のスケジュールを教えてください。

6:00・起床
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7:30・出社
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仕事(8:00前に社員が出社したら一緒に畑に出て、休憩を挟みながら農作業とデスクワークをやっていますね

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18:00・帰宅
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23:00・就寝



休日の過ごし方は?

1回休んじゃうとダメ人間になる(笑)から1日仕事しない日はほとんどなくて、年に3回ぐらい。そんなときは三沢漁港に釣りに行ってるんですけど、まだ1匹も釣ったことがない。そんな話を釣り好きの人に話したら、ドン引きされました(笑)。


三沢市の便利なこと・不便なことは?

通勤電車に乗らなくていいのが一番便利。バスとか公共交通手段に関しては多少不便だけど、車さえ持ってれば自分のタイミングで動ける。通勤のストレスがなくなって、めちゃくちゃ楽になりましたね。


三沢市のお気に入りスポットは?

三沢空港。入り口であり出口なんですよ。青年会議所時代も会社の仕事でも、あそこに行かないと何も始まらない!ぐらいの場所。交通インフラ面で考えると、自分で事業をやりたい人には三沢は適していると思いますよ。


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