移住者インタビュー

仕事 × 地域で新境地。心も体も健康に。

COLLECTERS INTERVIEW#005

イラストレーター

安斉 将さん

ヨガインストラクター

さん

出身地:将さん 神奈川県横浜市(Iターン)
香さん 青森県十和田市(Uターン)
移住年:2010年
職   業:将さん イラストレーター
香さん ヨガインストラクター

<将さん>1967年生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業後、1992年から雑誌、書籍、広告、テレビCMなど、幅広い分野で活躍。2011年十和田市現代美術館にて個展開催。「安斉研究所」を結成し2012年、Arts Towada 奥入瀬プロジェクト、2013年、十和田市現代美術館開館5周年記念展「flowers」などに参加。八戸工業大学非常勤講師。<香さん>1969年生まれ。アパレルブランドにて15年間パタンナーを務める。将さんと結婚後、ヨガインストラクターに転身。東奥日報にて「ご当地ヨガ」連載。ATVおしゃべりハウス「からだプラス」コーナー出演。NPO法人日本予防医学療術協会認定ヨガインストラクター、APメディカルヨガ取得。

「そろそろ東京じゃなくてもいい」(安斉さん)
「帰省のたびに売り込みました(笑)」(香さん)

 安斉将さんはファッション誌などの印刷媒体のほか、映画やCMへの作品提供でも活躍するイラストレーター。妻の香さんはフリーのヨガインストラクターとして、都内のヨガスタジオで活動。2人が十和田市に移り住んだのは、2010年のことです。
 「妻の出身地が十和田市なんです。僕は横浜の生まれ育ちで “ふるさと”と呼べる場所を持っていないから、豊かな自然は魅力的でした。イラストレーターの仕事を始めて20年近く経ち、仕事のしかたが変わってきたのも大きな理由です。クライアントの近くにいないと仕事にならなかったのが、メールのおかげでどこでも仕事ができるようになって、そろそろ(住まいが)東京でなくてもいいなと」(安斉さん)
 「帰省のたびに『空気がおいしいね』『空がきれいでしょ?』と夫に十和田を売り込みました(笑)」(香さん)
 2008年、市のシンボルロードである官庁街通りに十和田市現代美術館がオープン。アートによるまちづくりが始まったことも、夫妻の背中を押しました。
 とはいえ、最先端の情報が行きかう都心を離れることで「ある程度仕事が減る覚悟はしていました」と安斉さん。実際はどうだったのでしょうか?
 「幸いにも減ることはなく、地域おこしプロジェクトを始めたり大学の非常勤講師のお話をいただいたりと、ボリュームが増えて幅も広がりました」
 2011年2月、現代美術館で個展を開催。同年、青年会議所の依頼を受け、まちの一大イベント「十和田市秋祭り」で法被をデザインしたことから、今や安斉さんの代表作の1つとなっている「ウマジン」が生まれました。

ドキドキで世界をつなぐウマジン、青森をからだで表現するご当地ヨガ。

 古くから馬産地として知られる十和田市の歴史と、新しい取り組みであるアートのまちづくりを融合させたウマジンは、人と人とをつなぐコミュニケーションツール。馬の頭をかたどったユーモラスなオブジェを被れば、誰でもウマジンに早変わりです。
「被ると恥ずかしくて、ドキドキするんです (笑)。ドキドキ、ワクワクして、年齢や性別、職業や国境の壁みたいなものが取り払われて仲良くなって、地域同士も仲良くなって、世界ともつながろうと。ウマジン被ればみんな平等、友だちです」
ウマジンをきっかけに、自身も交流が広がった安斉さん。その後も地元の仲間とともに「ウマジンプロジェクト」としてワークショップやイベントを展開し、2014年にグッドデザイン賞を受賞しています。

一方、妻の香さんもヨガインストラクターとして活躍中です。公民館や市民文化センターで定期的に教室を開講しているほか、認定こども園や病院でもレッスンを実施。「ごぼうのポーズ」「漁火のポーズ」など、青森県の名物や見どころをポーズで表す「ご当地ヨガ」で地元テレビ番組に出演もしています。
アパレル業界でパタンナーとして働いていた20代の頃から十和田が大好き。移住してからは、あらためてふるさとの魅力を発見する日々だといいます。
「レッスンに来た方がまた新しい機会をくださったり、励ましてくださったり。インストラクターとしても人としても、育てていただいている感覚があります。以前は『寒い、暑い、眠い、疲れた』が口癖だったのが、新鮮な食材や豊かな自然に接することもあってか言わなくなり、心も体も健康になりました」

「田舎の不便さ」を通じて見えてくるもの

 「東京では中吊り広告なり、街を歩く若者の服なり、いつのまにか入る新しい情報が多くて、仕事にも反映していたと思います。今はそういう意味での情報はないけれど、代わりに四季の移り変わりの美しさとか、自然からヒントをもらっていければ。その年代、その環境でしかできないことはあると思うので、クラブで踊りまくる、とかは都会でやり尽くしてから来たほうがいいかもしれない(笑)」(安斉さん)
「スキルアップのために講座を受講したいときなんかは、東京は便利ですよね。こっちから行くのは時間もお金もかかるので。もっと勉強してくればよかった!と思うことはあります。でも逆に、時間を大事に使うようになりました。『今はいいや』と流さないで、しっかり時間を作って集中するようにしています」(香さん)
環境の変化にはデメリットもつきもの。ポジティブに受け止めてメリットを最大化させることが、移住を成功させる秘訣でしょう。アートとヨガ、2人の活動が、十和田のまちをより魅力的にしてくれそうです。

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